特殊加工印刷の新晃社 > 印刷会社ブログTOP > ブログ > 印刷について > 【これも知っておきたい!】マットコート紙を選ぶべき3つのポイント
公開日:2020年08月20日
(最終更新日:2024年5月7日)
カラー印刷をするなら必ずと言っていいほど出てくる「コート紙」と「マットコート紙」。
コート紙は発色の良い光沢感のある紙であると、こちらの記事でご紹介させて頂きました。(【知らないと損する】コート紙を選ぶべき3つのポイント)
それでは、マットコート紙はどのような紙で、どんな時に選んだら良いのでしょうか。今回はマットコート紙の基本的な内容に加えて、特徴と使いどころについてご紹介させて頂きます。
マットコート紙は、光沢を抑えた上品な質感を持つ用紙で、落ち着いた印象を演出することができる紙です。光の反射が少なく、文字が多いデザインに適しており、パンフレットや会社案内などによく使用されています。また、原紙にマット系のコーティング塗料を塗布し、表面をなめらかに仕上げることで、しっとりとした手触りとなっています。
発色が良くなるコーティングを紙の表面に施していながら、光の反射を抑えるといった特徴を活かして、チラシやカタログ、パンフレットなどあらゆる印刷物に使われています。また、カラーページのある書籍などにも良く使用されており、大変使い勝手の良い紙です。
モノクロの印刷物に使用することも出来ますが、やはりカラーの印刷物に使用することでマットコート紙の強みを発揮することができます。
マットコート紙は薄いものから厚いものまで様々な種類があります。厚みは連量と呼ばれる全紙1000枚の時のkgあたりの重さで分けられています。以下を目安として参考にしてみてください。
連量:四六判73kg
厚み:約0.08mm
用途:一般的なコピー用紙やノート程度の厚みです。書籍や冊子の本文に使われることが多く、ページをめくりやすい厚みです。
連量:四六判90kg
厚み:約0.11mm
用途:お札と同じ程度の厚みです。一般的によく使われている紙の厚みであり、チラシ・フライヤーに多く使われています。
連量:四六判110kg
厚み:約0.14mm
用途:ある程度しっかりした厚みがあるため、会社案内等のパンフレットやリーフレットなどに多く使われています。
連量:四六判135kg
厚み:約0.18mm
用途:葉書と同じ程度の厚みです。しっかりした厚みがあるため、ポスターや冊子の表紙に多く使われています。厚めの紙は折り加工をすると、折り目がシワになりやすいので注意しましょう。
※上記の厚みはあくまでも目安です。厚さは銘柄によって多少異なります。
印刷物はインキを乾かす時間が必要になりますが、上質紙やコート紙と比べてマットコート紙は乾きに時間がかかります。特にベタが多い印刷物の場合は、より時間がかかるため納期をしっかりと確保する必要があります。希望する納品日に合わせて、いつまでに印刷会社に入稿する必要があるかなど事前に確認しておきましょう。
それではここからは、コート紙や上質紙と比較してマットコート紙を選ぶべきポイントを3つご紹介します。
マットコート紙は「しっとり」「スベスベ」といった質感になります。コート紙の「ツルツル」とした活発な印象に比べると、マットコート紙は上品な印象で、落ち着いた雰囲気を出したい場合にはぴったりの質感です。
この質感の違いですが、紙の表面に塗布(とふ)しているコーティングの違いによるものです。そのため、コート紙の事を「塗工紙(とこうし)」、マットコート紙を「微塗工紙(びとこうし)」と呼び、一般的にはマットコート紙のほうが塗料が少ないため、「微」塗工紙とされます。
コート紙では「鮮やかだけど主張が強すぎる」といった場合は、マットコート紙を是非検討してみてください。マットコートならではの「鮮やかだけれども落ち着いたトーン」が合っているかもしれません。
コストは基本的にコート紙と変わらず同額になりますので、金額が上がる心配もありません。
※時期や紙の市場価格によって変動する場合がありますので、詳しくはお問い合わせください。
上質紙は「さらさら」あるいは「ざらざら」とした質感になります。身近にある分かりやすい例としては、コピー用紙などが上質紙です。上質紙は紙の表面にコーティングをしていないため、インキを吸いやすいため落ち着いた発色になります。マットコート紙よりも素朴で落ち着いた印象を出したい場合などは上質紙がおすすめです。
一方で「上質紙の落ち着いた発色では物足りなさを感じる」といった場合はマットコート紙がおすすめです。コート紙ほど主張は強くないけれども、上質紙よりも発色がはっきりとしていて手触りもしっとりとしており、洗練された演出をしたい、といった場合にはぴったりです。
マットコート紙の特徴として、鉛筆などでも書き込めるといった点があります。コート紙は、光沢感のあるツルツルとしたコーティングであるため、ボールペンなどであれば大丈夫ですが、鉛筆ではしっかりと書き込むことができません。そのため、チラシやパンフレットにお客様に書き込んでもらうスペースなどを設ける場合は注意が必要です。
「上質紙」の場合は鉛筆で書き込むことができますが、表面にコーティングをしていないため、発色がコート紙・マットコート紙ほど鮮やかにはなりません。
そこでマットコート紙が役に立ちます。鮮やかな発色でありながら、鉛筆でも難なく書き込めるので、「見た目の印象は良いままで、応募用紙やアンケートなどとしても使いたい」といった印刷物であればマットコート紙は最適な選択肢です。
ここではマットコート紙に関する質問をいくつかご紹介させて頂きます。
発色については、実際の仕上がりを確認するための「色校正」を行うと確実に違いが分かります。同じデザインで「コート紙」「マットコート紙」「上質紙」で刷ってみて仕上がりを比べてみる、といった事もできますので、本番印刷前に色校正を行うとイメージに最も近い紙を選ぶ事ができるでしょう。
紙の表面にコーティングはしてありますが、発色をよくするためのコーティングですので一般的な紙と変わりません。耐久性や耐水性を持たせたい場合は、PP加工など他の表面加工を施す事がおすすめです。
マットコート紙は手触りの良さや発色の良さが魅力的であるため、高いと思われていることもありますが、実際はコート紙や上質紙と変わらない事が殆どです。まずは印刷会社にご相談ください。
この他にもお客様から様々な質問を頂く事があります。気になることがあるかたは是非お気軽に弊社にお問い合わせ頂ければと思います。
以上、マットコート紙の特徴をご紹介しましたが、実際に現物をみてみないと分からないという事がほとんどだと思います。新晃社ではマットコート紙の紙見本がありますので、現物を見てみたいといった場合は是非お気軽にご連絡ください。
新晃社ではマットコート紙はもちろん、あらゆる紙を取り扱っております。紙について分からない点や気になる点などありましたら、是非弊社までご連絡ください。担当者より丁寧にご案内させて頂きます。
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