
企業の販促物や屋外掲示物を作成する際、「紙を使いたいけれど、水濡れや汚れが心配」と悩まれたことはありませんか?
飲食店のメニュー表、屋外イベントのマップ、あるいは建設現場の図面など、過酷な環境下でも情報をしっかりと伝え続けなければならないシーンは数多く存在します。通常の紙にパウチ(ラミネート)加工をするのも一つの手ですが、コストや手間の面、あるいは「脱プラスチック」という環境配慮の観点から、素材そのものを見直したいというニーズが高まっています。
そこで今回は、さまざまな印刷加工を手掛けてきた新晃社が選ぶ、用途に合わせた「水に強い紙」を3種類ピックアップしてご紹介します。
今回比較するのは、以下の3つです。
・OKレインガード(水を弾く撥水紙)
・ユポグリーン(水に強い合成紙)
・プラレスペーパーCoC(濡れても破れない耐水紙)
それぞれの「強さの仕組み」や「質感」、「おすすめの活用シーン」について詳しく解説していきます。
紙の風合いはそのままに水を弾く「OKレインガード」

まず最初にご紹介するのは、王子エフテックス株式会社が製造する「OKレインガード」です。
「OKレインガード」の最大の特徴は、あくまでも「紙(パルプ)」ベースの上質紙であることです。製造段階で特殊な撥水加工を施すことで、まるで蓮の葉のように水を玉状にして弾く性質を持たせています。
・高い撥水性: 多少の雨や水しぶきであれば、染み込むことなく表面で弾きます。
・筆記適性: ベースが上質紙であるため、鉛筆や油性ペンでの書き込みがスムーズです。
・コストパフォーマンス: 合成紙や特殊素材に比べ、比較的安価に導入できるケースが多いです。
・廃棄のしやすさ: 一般的な紙と同様に処理でき、リサイクルも容易です。
ただし、長時間水没させると断面から水が浸透する場合があるため、「完全防水」ではありません。「生活防水レベルの紙」とイメージしていただくと良いでしょう。
おすすめの活用シーン
筆記適性とコストのバランスが良いOKレインガードは、以下のような用途に最適です。
・屋外イベントの会場マップ・プログラム: 雨天時の閲覧でも濡れを弾き、フニャフニャになりにくい。
・建設・工事現場の図面や日報: 現場での書き込みが必要で、かつ汚れやすい環境に。
・防災マップ・ハザードマップ: いざという時に濡れても文字が滲みにくく、避難経路などを書き込める。
環境に優しく進化した最強の合成紙「ユポグリーン」

次にご紹介するのは、株式会社ユポ・コーポレーションの「ユポグリーン」です。「ユポ」と言えば、選挙ポスターに使われる「破れない紙」として有名ですが、このユポグリーンはその環境配慮型シリーズです。
ユポは、紙の原料である木材パルプを使用せず、ポリプロピレン(PP)を主原料として作られた「合成紙」です。ユポグリーンは、従来の化石燃料由来の樹脂の一部を、サトウキビ由来のバイオマス樹脂に置き換えることで、CO2排出量の削減に貢献しています。
・圧倒的な耐水性: 樹脂でできているため、水に濡れても強度は全く変わりません。お風呂場や水中でも使用可能です。
・優れた耐久性: 引っ張っても破れにくく、繰り返しの使用にも耐えます。
・美しい発色: 表面が非常に滑らかで、写真やグラフィックを鮮やかに再現します。
おすすめの活用シーン
「絶対に破れてはいけない」「長期間美しさを保ちたい」というシーンでは、ユポグリーンの独壇場です。
・飲食店のメニュー表: 飲み物をこぼしてもサッと拭き取れ、アルコール消毒も可能。ラミネート加工なしでも長持ちします。
・屋外ポスター・選挙ポスター: 雨風にさらされてもシワにならず、掲示期間中ずっと美観を保ちます。
・お風呂ポスター・学習シート: 浴室の壁に水で貼り付けるような教材や広告に。
脱プラを実現する強い味方「プラレスペーパーCoC」

最後にご紹介するのは、リンテック株式会社の「プラレスペーパーCoC」です。 名前の通り「プラスチック(Plastic)レス(Less)」をコンセプトにした、いま注目の環境配慮型ペーパーです。
プラレスペーパーCoCは、プラスチックフィルムの代替を目指して開発された「耐水印刷用紙」で片面塗工タイプの紙です。樹脂フィルムを使わず、木材パルプ100%でありながら、特殊な耐水加工によって「濡れても破れにくい」強さを実現しています。また、非塗工タイプのプラレスペーパーCoC NCもあります。
・濡れても破れない(湿潤強度): 水に濡れるとすぐに破れてしまう一般的な紙と違い、水を含んでも引っ張り強度が落ちにくく、形状を保ちます。
・完全な「脱プラ」素材: 原料はFSC®認証林(適切に管理された森林)などから得られた木材パルプです。プラスチックを一切使用していないため、「脱プラスチック」を明確にアピールできます。
・印刷適性と加工性: オフセット印刷やレーザープリンターでの印字適性が高く、折り加工や型抜き加工も容易です。
おすすめの活用シーン
「水には強くありたいが、プラスチックは使いたくない」という、企業のCSR(社会的責任)やSDGsを意識した用途に最適です。
・手提げ袋: 雨の日でも破れにくく、環境に配慮したブランドイメージを伝えます。
・冷蔵・冷凍食品のラベル・包装紙: 結露による水濡れに耐え、冷凍ケースの中でもボロボロになりません。
・クリーニングタグ・商品タグ: 洗浄や水回りの使用に耐えつつ、紙素材の温かみを残せます。
・屋外・水場でのスコアシート: ゴルフや水泳など、水濡れが想定されるスポーツの記録用紙。
【比較まとめ】どの素材を選ぶべき?
ここまで3つの素材をご紹介してきましたが、「結局どれを選べばいいの?」と迷われている方は、「何を最も重視するか」を基準に選んでみてください。
もし、防災マップや現場図面のように、「コストを抑えつつ、書き込みもしたい」という実用性を重視するなら、水を弾く【OKレインガード】が最適です。普通の紙に近い感覚で扱えるため、大量配布する印刷物にも向いています。
一方で、飲食店のメニューや屋外ポスターなど、水に浸かったり汚れを拭き取ったりする過酷な環境であれば【ユポグリーン】をお選びください。プラスチック素材ならではの「完全防水」と「最強の耐久性」が、長期間美しさを保ちます。
そして、商品パッケージや手提げ袋などで、「水には強くありたいが、脱プラスチックも実現したい」という場合は、【プラレスペーパーCoC】がベストな選択肢です。FSC認証紙でありながら濡れても破れない強さを持つため、企業のSDGsへの姿勢をしっかりとアピールできます。
水に強い印刷物のご相談は新晃社へ
「水に強い紙」と一口に言っても、「水を弾く(撥水)」「水を透さない(防水)」「濡れても強い(耐水)」など、その性質はさまざまです。
新晃社では、今回ご紹介した「OKレインガード」「ユポグリーン」「プラレスペーパーCoC」をはじめ、お客様の用途や環境配慮の方針に合わせて最適な用紙をご提案いたします。
「この用途なら、どの紙が一番コストパフォーマンスが良い?」 「脱プラを進めたいけれど、品質は落としたくない」など、少しでも気になることがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。経験豊富なスタッフが、最適な紙と印刷方法をご提案させていただきます。






