
現代の販促活動において、紙媒体からWEBサイトやSNSへ誘導する「QRコード」は欠かせないツールです。しかし、いざ印刷してみると「読み取れない」「リンク先が間違っていた」といったトラブルが少なくありません。
せっかくコストをかけて制作した印刷物も、QRコードが機能しなければその効果は半減してしまいます。本記事では、印刷会社としてのノウハウを凝縮し、QRコードを印刷する際に絶対に押さえておくべき注意点と成功のポイントを詳しく解説します。
1. QRコード印刷でよくある「読み取り不可」の原因
印刷したQRコードが読み取れない場合、主な原因は「デザインの問題」か「印刷精度の問題」に集約されます。まずは代表的な失敗例を確認しましょう。
サイズが小さすぎる
QRコードには「セル(最小単位の正方形)」が集まって構成されています。印刷サイズが小さすぎると、このセルが潰れてしまい、スマートフォンのカメラで認識できなくなります。
コントラストが不足している
背景色とQRコードの色が似ている場合、スキャナーが境界線を判別できません。また、反転色(背景が濃色、コードが白)も、古い機種やアプリでは読み取れないリスクが高まります。
余白が足りない
QRコードの周囲には、一定の「余白」が必要です。この余白がないと、周囲のデザインや文字をコードの一部だと誤認してしまいます。
2. 失敗を防ぐための5つのチェックポイント
確実に読み取れるQRコードを印刷するために、制作段階で以下の5項目をチェックしてください。
① 適切なサイズ設定
QRコードのサイズは、15mm × 15mm以上を推奨します。 情報量(URLの長さ)が多いほどセルが細かくなるため、複雑なコードの場合はさらに大きくする必要があります。どうしても小さくしたい場合でも、最低10mmは確保しましょう。
② 十分な余白を確保する
QRコードの上下左右には、セルの4倍以上の余白を設けるのが基本ルールです。デザインの都合でギリギリまで文字を詰め込みたくなりますが、余白を削ることは読み取りエラーに直結します。
③ 色合わせとコントラスト
基本は「白背景に黒のコード」が最も安全です。NG例は、黄色地に白のコード、赤地に茶色のコードなど。また注意すべき点は、金・銀・パールなどの特殊インキや、光沢の強いラミネート加工は、光の反射によって読み取りを妨げる場合があります。
④ 解像度とデータ形式
WEB用の低解像度(72dpi)の画像をそのまま印刷に使用すると、輪郭がぼやけて読み取れない場合があります。推奨はベクターデータ(AI形式)または、300〜350dpi以上の高解像度画像。保存形式はJPEGよりも、エッジがはっきり残るPNGやEPSが適しています。
⑤ 誤り訂正レベルの選択
QRコードには、一部が汚れても修復して読み取る「誤り訂正機能」があります。レベルL(約7%)〜レベルH(約30%)まで選択可能です。屋外に掲示するポスターや、配送伝票など汚れやすいものの場合は、高めのレベル(MやQ)を設定すると安心です。
参考:誤り訂正機能(デンソーウェーブ公式サイト)
https://www.qrcode.com/about/error_correction.html
3. 短縮URLの活用で読み取り精度を上げる
QRコードの密度は、格納する情報の文字数によって決まります。 例えば、長いURLをそのままQRコードにすると、セルが非常に細かくなり、印刷の難易度が上がります。
その場合は短縮URLサービスや、独自の転送用URLを使用することで、QRコードのデザインを簡略化できます。コードがシンプルになれば、小さく印刷しても読み取り精度が向上します。
4. 印刷工程での落とし穴:紙質と加工
データが完璧でも、印刷の仕上げによってトラブルが起こるケースがあります。
| 項目 | 注意が必要な理由 | 対策 |
| 紙の質感 | 上質紙などインキが沈みやすい紙は、セルが太る(滲む)ことがある。 | 滲みを考慮して、少し大きめに配置する。 |
| PP加工 | グロスPP(光沢)は、照明の反射でカメラがピントを合わせにくい。 | マットPPを選択するか、配置場所を工夫する。 |
| 折り目 | コードの上に折り目が重なると、形状が歪んで認識されない。 | 折り位置から少なくとも数ミリは離して配置する。 |
5. 必ず実施すべき「最終検品」の方法
印刷を本格的に開始する前に、必ず「実寸でのテスト」を行ってください。
- ・実寸でプリントアウトする: オフィスプリンターでも構いませんので、必ず実際のサイズで出力します。
- ・複数の端末で試す: iPhoneとAndroid、また最新機種と数年前の機種で読み取れるか試します。
- ・リンク先の再確認: 読み取れた後、URLが正しいか、キャンペーン期間外になっていないかまで確認します。
まとめ:QRコード印刷は「余裕」が鍵
QRコードは便利なツールですが、印刷においては「サイズ・余白・コントラスト」の3点において、「ギリギリを攻めない余裕を持った設計」が成功の秘訣です。新晃社では、これまで数多くの販促物制作を通じて培った知見をもとに、お客様のデータが適切に印刷・スキャンできるかをプロの視点でチェックいたします。「このサイズで読み取れるか不安」「特殊な紙に印刷したい」といったご相談があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。






