
チラシやパンフレット、パッケージなど、身の回りの多くの印刷物に使われているのが「オフセット印刷」です。
大量印刷に向いているだけでなく、写真や文字を美しく再現できることから、商業印刷の主流となっています。本記事では、オフセット印刷の仕組みから、メリット・デメリット、オンデマンド印刷との違い、さらに箔押し・エンボスなどの特殊印刷との組み合わせ事例まで、印刷のプロである株式会社新晃社がわかりやすく解説します。
オフセット印刷とは?
オフセット印刷とは、版に描かれた画像を一度ブランケットと呼ばれるゴム胴に転写(Offset)し、それを用紙へ印刷する方式です。インキが紙に直接触れない「間接印刷」であるため、ムラが少なく均一で高品質な仕上がりが特徴です。
新聞、雑誌、チラシ、パンフレット、ポスター、パッケージなど、私たちが日常で目にする印刷物の多くが、このオフセット印刷で作られています。
オフセット印刷のメリットとデメリット
高品質で万能に見えるオフセット印刷にも、得意なことと不得意なことがあります。
オフセット印刷の主なメリット
●高品質・高精細
写真やグラデーション、細かな文字も鮮明に再現できます。
●大量印刷でのコストメリット
数千部、数万部と印刷する場合、1部あたりの単価がオンデマンド印刷より安くなります。
●多様な用紙への対応
薄い紙から厚紙、特殊な紙(凹凸のある紙など)まで、幅広く対応できます。
●特色(スポットカラー)が使える
CMYKの4色では表現しきれない特定の色(企業のロゴカラー、金、銀など)を「特色インキ」として使用できます。
オフセット印刷の主なデメリット
●小ロット(少部数)は割高になる
印刷用の「版」を作成する初期費用がかかるため、100部などの少部数の場合は1部あたりの単価が高くなります。
●オンデマンド印刷より納期がかかる
「版」の作成、インキの乾燥といった工程が必要なため、即日納品などには向きません。
オフセット印刷とオンデマンド印刷の違い
オフセット印刷とよく比較されるのが「オンデマンド印刷」です。オンデマンド印刷は、版を作らずにデータから直接印刷する方式(レーザープリンターやインクジェットプリンターの業務用機)で、少部数の印刷を得意とします。
どちらを選ぶかは「部数」と「求める品質・仕様」によって決まります。
詳しくは関連記事「【徹底比較】オフセット印刷とオンデマンド印刷の違い」もご覧ください。
オフセット印刷が適している主な用途
以下の特徴を持つ印刷物には、オフセット印刷が最適です。
●大部数を配布するもの
例:チラシ、フライヤー、パンフレット、会社案内
●写真や色の品質にこだわりたいもの
例:写真集、画集、製品カタログ、ポスター
●厚紙や特殊な紙を使いたいもの
例:名刺、ポストカード、パッケージ、手提げ袋
●企業のロゴカラーなど「特色」を使いたいもの
オフセット印刷の仕組み
色の仕組み:CMYKの「網点」
オフセット印刷は、基本的に「CMYK」という4つのインキを重ねてフルカラーを表現します。
・C:シアン(青)
・M:マゼンタ(赤)
・Y:イエロー(黄)
・K:ブラック(黒)
これらの色を微細な網点(ドット)として印刷し、重ね合わせることで、写真のような滑らかな色合いを再現します。


印刷機の種類:「輪転機」と「枚葉機」
オフセット印刷には、紙の供給方法によって大きく2つの方式があります。
●輪転機(りんてんき)
ロール状の紙をセットし、高速で連続して印刷するタイプです。
新聞や大ロットのチラシなど、大量印刷・短納期が求められる案件に向いていますが、使用できる紙は比較的薄いものに限られます。
●枚葉機(まいようき)
あらかじめ断裁された紙(シート)を1枚ずつ給紙して印刷します。
スピードは輪転機に劣りますが、厚紙や特殊な紙にも対応でき、ポストカードや名刺、パッケージ印刷に最適です。高品質な仕上がりが求められる印刷物に向いています。
詳しくは関連記事「輪転機と枚葉機って何が違うの?」もご覧ください。
下の写真は、用紙が印刷機の中に入っていく部分の様子です。1枚1枚かなり高速で、印刷機の中に運ばれていきます。
新晃社では主に「枚葉機」を採用しており、チラシ・パンフレットだけでなく、パッケージや厚紙を使った手提げ袋など、お客様の多様なご要望にお応えできます。

新晃社の強み|オフセット印刷 +「特殊印刷」
新晃社では、オフセット印刷の美しさをベースに、さらに付加価値を高める「特殊印刷」や「特殊加工」を組み合わせるご提案を得意としています。
・箔押し(ホットスタンプ)
・エンボス・デボス(浮き出し・型押し)
・疑似エンボス(ニスによる立体表現)
・PP加工(和紙PP、マットPP、グロスPP)
・型抜き加工
・シルクスクリーン印刷 など
これらを組み合わせることで、他社とは違う、ブランドの世界観や高級感を演出できます。
特殊印刷を活用した制作事例のご紹介
●箔押しポストカード
金や赤の箔を使用し、目を引く高級感あるデザインに。
●和紙PPを施したポケットフォルダ
和の質感を演出し、重厚で上品な印象を与えます。

●ライメックス×疑似エンボスのクリアファイル
環境配慮素材ライメックスに立体感を加えたアイテム。
●型抜きカレンダー(エンボス・シルク加工)
複数の加工を組み合わせた、デザイン性の高い立体的な仕上がり。
●シルクスクリーン印刷
滑らかで立体的な美しい質感の印刷。

まとめ|印刷の表現力を引き出すならオフセット印刷
オフセット印刷は、色再現性・品質・コストのバランスに優れた、現在も主流の印刷方式です。
特に「枚葉機」によるオフセット印刷は、用紙の選択肢も広く、箔押しやエンボスなどの特殊印刷と組み合わせることで、その表現力は無限に広がります。
新晃社では、印刷だけでなく用紙選定・加工提案・デザイン表現までを一貫してご提案しています。
「印刷物をもっと印象的にしたい」
「ブランドらしさを紙で表現したい」
そんなご相談はぜひ新晃社までお気軽にお問い合わせください。













