【思わず触れたくなる】デジタルバーコ印刷

印刷物を手に取ったとき、ふと指先に感じる凹凸や、光を受けて輝くツヤ。 画面上では再現できないその質感は、手にした人の印象に強く残ります。
数ある特殊印刷の中でも、今回ご紹介するのは「デジタルバーコ印刷」です。

「高級感のあるDMを作りたいが、予算が限られている」
「小ロットでも、他とは違うチラシでインパクトを出したい」

そんな時、選択肢のひとつになるのがデジタルバーコ印刷です。 実際の加工事例をご覧いただきながら、その仕組みと活用法について解説します。

デジタルバーコ印刷とは? その仕組みと特徴

デジタルバーコ印刷とは、印刷された絵柄の上に、デジタルデータに基づいて透明なニスを厚く吹き付け、UV(紫外線)で瞬時に硬化させることで、盛り上がりと光沢を与える加工技術です。

最新の印刷機では、高精細なインクジェットヘッドを使用しています。 必要な場所にだけピンポイントでニスを乗せることができるため、従来の手法よりも緻密で、美しい立体感を実現します。

従来の「バーコ印刷」との違い

名前は似ていますが、アナログ時代の「バーコ印刷」とは仕組みが大きく異なります。

版(はん)が不要

デジタル印刷機と連動するため、製版の工程がいりません。そのため、1枚からの極小ロットや、数百枚単位のフライヤーでも、コストを抑えてスピーディーに作成可能です。

粉を使わず、クリーンで高精細

昔のバーコ印刷は樹脂パウダーを熱で溶かしていたため、細かい文字が潰れやすい弱点がありました。対して現在のデジタル方式は、インクジェットで直接ニスを描画して光で固めるため、より細かいデザインの再現が可能になっています。

【実例】写真で見る、表現の可能性

実際にデジタルバーコ印刷を施したサンプルを見ながら、具体的な効果をご紹介します。

1. 視線を集める「高さ」と「ツヤ」

たとえば、こちらの事例。数字の「1」に加工を施しました。まるで液体がその場に留まっているかのような、瑞々しい光沢と立体感が見て取れます。デジタルバーコ印刷は、こうした「濡れたようなツヤ(ウェット感)」を出すのが得意です。

ロゴマークやキャッチコピーなど、デザインの主役となる部分に用いると、視線を自然に誘導するアイキャッチになります。

2. 被写体を強調し、奥行きを出す

こちらは人物写真への活用例です。写真全体ではなく、強調したい被写体(この場合はアスリートと選手のサイン)のみを盛り上げています。 背景はマットなまま、被写体だけがグロス感を帯びて浮き上がるため、紙面に奥行きが生まれます。

商品カタログなら「商品ボトル」だけに、パンフレットなら「水しぶき」だけに加工するなど、「見せたいもの」を物理的に強調する手法として効果的です。

3. 繊細なパターンで「品格」を出す

大胆な盛り上げだけでなく、こうした繊細なパターンの表現も可能です。 濃い色の印刷面にクリア(透明)な樹脂を乗せることで、光の加減によって模様が浮き出たり消えたりする、シックな見せ方ができます。

指で撫でたときに感じる微細なテクスチャーは、招待状やブランドのタグなど、「手に取ってじっくり眺めるツール」に特別感をプラスします。

4. 素材の質感をリアルに再現する

最後はこちらの魚のイラスト。鱗の一つひとつに盛り上がりを持たせることで、生物特有の生々しい質感を再現しています。 カラー印刷のグラデーションと、盛り上げのハイライトが重なることで、擬似的ながらもリアルな物質感が生まれます。

視覚情報だけでなく「触覚」に訴えるデザインは、通常のフルカラー印刷だけでは表現できない、デジタルバーコ印刷ならではの強みです。

制作におけるメリットと注意点

デジタルバーコ印刷をおすすめする理由は、見た目の良さや質感だけではありません。実用的なメリットと、作成する際の注意点があります。

小ロット・可変情報に対応

前述の通り「版」が不要なため、数十枚単位の名刺やDMでも現実的なコストで導入可能です。また、デジタルデータの強みを活かし、一枚ごとに異なる絵柄を盛り上げる「バリアブル対応」もできます。

データ作成の注意点

デジタルバーコ印刷には、あらかじめ知っておきたい注意点もあります。

・断裁位置や折り目
ニスで硬化した部分は厚みがあり硬いため、断裁ラインや折り目(スジ入れ)にかかると、割れや剥がれの原因になることがあります。加工位置は仕上がりラインから少し内側に収めるのがコツです。

・用紙との相性
コート紙などの平滑な紙の方が、ニスの盛り上がりがきれいに際立ちます。

「このデザインで再現できるか不安」という場合は、入稿前に当社にご相談ください。これまでの経験をもとに、データ調整のアドバイスをさせていただきます。

まとめ

デジタル全盛の時代だからこそ、物理的な「手触り」には価値があります。手渡されたフライヤーに驚いたり、ポストに入っていたDMに思わず見入ってしまったり。 デジタルバーコ印刷は、そんなコミュニケーションのきっかけを作る技術です。

新晃社では、チラシ・フライヤー、パンフレットの表紙、DMなど、あらゆる紙媒体のデジタルバーコ印刷に対応しています。 試作段階から柔軟に対応していますので、サンプルのご請求やお見積もりなど、お気軽にお問い合わせください。

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